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政府のマスク精鋭チームは、いまどうしてる?

緊急事態宣言から10日目の4月17日、衆議院 経済産業委員会の田嶋要議員の質疑から、マスクの政府調達について現在どうなっているのか、その答弁から探ってみた。

 

田嶋議員「今日はN95、KN95に特化してお尋ねします。私たちがいちいち厚労省の人に聞いたりするのではなく、調達のデータがいつでもどこでも見られるようにするダッシュボードのようなものを作る気があるのか、その点を確認したい。」

 

この質問に対する橋本岳厚労副大臣の答弁から、マスクの調達がいかにノロノロしているかがよく分かる。

 

橋本副大臣「今、私どもの取り組みといたしまして、現場にどんなニーズがあるのか、ということを汲み取るということが大事だと思っている。厚労省では内閣府の内閣官房IT総合戦略室と連携をして、各医療機関等の協力を得て、各医療機関の各医療機関の状況に関する情報をWEB上で入力をして頂けるシステムを開発しました。今稼働して、各機関の皆様に入力をお願いしているところです。」

 

「どんなニーズがあるのか」リサーチ中らしいが、少なくとも政府内に「マスクチーム」を立ち上げたことを、スガ官房長官は3月10日に明らかにしている。
優に1か月が過ぎているのだが、この時点でまだニーズのリサーチをしているとは、なんという遅さだろう。

 

また、こういうニュースもあったのだが、

 

安倍晋三首相は11日、マスクなどの医療物資について要望を待たずに送る「プッシュ型支援」で提供すると表明した。緊急事態宣言の対象の7都府県の医療機関に1000万枚の医療用サージカルマスクを追加配布すると明らかにした。医療用ガウンやフェイスシールドも順次配布する
(2020年4月11日日経)

 

「プッシュ型支援」とは、災害時などに、被災地の自治体からの具体的な要請を待たずに支援物資を緊急輸送する方法を言う。
すると「ニーズをリサーチ」している橋本副大臣の仕事は、プッシュ型という首相会見で発表した政府の方針とは違うのではないか?
安倍首相の言う「1000万枚の医療用サージカルマスク」と、橋本副大臣が管轄しているマスクチームの調達とは、同じマネジメントライン上にあるのだろうか?
そうでなければ、政府内に、マスク調達・支給のルートが2本存在することになる。

 

政府内に、目的を同じくするプロジェクトが二つあれば、それは非効率と混乱しか招かいないだろう。
もし、安倍首相の言う「1000万枚の医療用サージカルマスク」が、橋本副大臣の説明しているマネージメントで支給されるなら、ニーズをいちいち聞いて回っている彼のやり方は、安倍首相が会見で言った「プッシュ型」とは明らかに違う。
生産ラインから政府が把握して物資を優先的に調達し、それを自治体に分配するのであれば、マネジメントラインは1本化する必要がある。
そうなってはいないのか?
実体がよく分からない。

 

田嶋議員「お願いであります、いつ、どこからどのくらいの量の調達が可能なのか、それがどこに備蓄されるのか、どういう風に全国に流通するのか、供給サイドから現場の方に届く、N95、KN95の情報開示を、どんなに原始的なやり方でも結構ですから、この一週間ぐらいで作っていただくとお約束願えませんか。」
橋本副大臣「出来るだけお示しできるように、考えて参りたいと思います。」

 

そして、橋本副大臣のシメの言葉がまたズレている。

 

橋本副大臣「私どもと致しましても鋭意調達の努力をしている、その努力をしている姿と言うのをキチンとお示し出来ていない反省はしております。」

 

努力をしているとか、頑張っているとか、政治においてはどうでもいい。
現場に届いていなければ、成果がなかったということだ。
大事なのは、政治家が頑張っているかどうか、ではなく、調達が足りないのならなぜ足りないのかを説明し、いま起きていることを明確に情報開示することだ。
それによって、民間から何かよい提案が出ることもあるかもしれないし、最前線の現場での納得感も全く違う。
橋本副大臣は、そこを勘違いして「やってる感が足りなくて反省しています」というトンチンカンな答弁をしている。
「やってる感」だけの安倍政権が7年も続いたせいで、多くの与党議員は、政治とは「やってる感を示すこと」というのが半ば常識になってしまったのかもしれない。

 

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