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日本政府、外相会談後の共同会見をしないよう要望するも、ロシアに暴露される

13日、タス通信よりこんなニュースが報じられた。

14日にモスクワで予定されている日ロ外相会談の後に共同記者会見を行わないよう、日本の外務省側から要請があったということを、ロシアのザハロワ外務省広報官がロシアのテレビ番組で暴露したというものだ。

一体なんの為にそんな要請をするのか。

FTAをTAGと言い換えた時のように、ロシアとの会談内容を、日本国内で都合のいいように解釈・言い換えをし、国内世論を煙に巻くつもりなのだろうか。
そういうことなら、ロシア側が会談後に記者の質問に答える内容が、日本の意図している方向と食い違いが生じる可能性がある。それはマズい。

思い出されるのは、2016年に当時の岸田外務大臣がラブロフ露外相と会談をし、その後共同会見をした時だ。
岸田氏が「領土問題に関して議論しました」と記者団に答えると、その場でラブロフ氏に「してねえよ」と突っ込まれて、会見場で真っ青になったなんて出来事があった。

これまで、G20などの国際的な会合では、安倍首相が日本のリーダシップを唱え、各国首脳がそれに聞き入ったかのような創作報道がされてきた。
外遊では、交わした会話の内容ではなく、ひたすら訪問先の首脳と「仲がいい」という報道に重点を置くことで、多くの国民が「外交の安倍」などと激しい勘違いをするに至ってしまった。

ところがここへ来て、いくつかの外交問題に結果を出さなければならない局面になった。
その大きな外交テーマの一つであるのが北方領土問題だ。

これまでの外交報道は、国内でしか通用しないハリボテだったのだから、これには政権も頭を抱えていると思う。

そこで政権が思いつくのは、この得意技だ。
「解決する」のではなく、「解決したかのように国民に思わせる」という手法だ。

そしてそういう日本政府のやり方を、ロシア政府も十分分かっている。
だからわざわざ報道官がテレビで暴露し、日本政府を揺さぶったのだろう。

ところで、日本語メディアの共同通信は、このタス通信の報道を引用する形で、
「日本が共同会見拒否と批判」
と報じている。
こういう風に書かれれば、なにか対等な立場で、相手の意見を批判したかのように見える。
でも、タス報道の文面では、「真っ向から批判」というニュアンスではなく「驚愕、奇妙」という表現で、意訳すれば「おいおい、ダイジョーブなのか日本は?」というニュアンスに近い。
ここでも、微妙にだが、世界から見た日本の姿を少々偽っているように見えなくもない。

自国の外交情勢を正確に知ることのできない国民。
そういう事情が、国外に知れ渡っているということは、他国からも「対等に外交交渉するに足りない相手」と思われていても不思議はない。
そんな政権に、今後も外交を任せていいのだろうか。