6月18日、河井夫妻は逮捕されたのだが、その後、各マスコミの取材でぽつりぽつりと明らかになる周辺の「証言」なるものが全くひどいので、今後の参考のためにまとめておこうと思う。
案里議員の初当選から二カ月後の昨年九月には法相に就任。すると宴席で親しい知人たちに、こう言い放ったという。「法務・検察の上に立った。もう何があっても大丈夫だ」
(2020年6月19日東京新聞)
早く法務大臣にならないと、いろいろ不味いことがすでにあるという思いがあったのか?
広島空港のラウンジで事務所のスタッフを叱責した。
「土下座しろ」と運転手を怒鳴ったことも。
(2020年6月21日毎日新聞)
ミルクティーくらい残せばいいだろ。
河井氏が逮捕された瞬間から、これまで周囲にいた人々は、次々と折からの彼のパワハラ体質を暴露する。
暴露されるのは、彼の性格に関することばかりではない。
(2020年6月19日産経新聞)
(元議員)来賓の演説中に会場を離れてトイレにいた際、背後から突然スーツの右ポケットに白い封筒を差し込まれ、振り返ると克行容疑者がいた。
封筒には10万円が入っており、票の取りまとめを依頼する趣旨だと受け止めたという。
(2020年6月21日中國新聞)
悪口を通り越して、河井氏の犯罪をさらに暴く元秘書、元議員までが登場した。
権力の切れ目が縁の切れ目とばかり、逮捕された途端にあとからあとから罪状を後押しするような証言が噴出する。
こうして、ひたすら権力と暴力で周りを従えていた河井氏だが、自民党幹部、ことに安倍首相にはウケが良かったようだ。
(2020年6月21日中國新聞)
問題になっている1億5千万円が自民党本部から出ていたことまでは、すでに分かっていたことだが、これが具体的に「政党交付金」から支出されていたことが明らかとなった。
票集めのバラマキに使われた原資が、政党交付金から出ていたとなると、これは検察にはきちんと自民党本部も捜査してもらわなければならない。
黒川氏定年延長問題で、ガッツを見せていると言われる検察だが、ここで河井夫婦を逮捕して満足するようでは、これまでと同様に、今後も権力に対峙することは期待できない捜査機関ということになってしまう。
ここはなんとしても、期待を裏切らないでほしい。