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総理が官邸で身近な人とだけ相談して決める唐突な対策、記録もない

3月2日、参・予算委、棚橋委員長がいないことと、時間制限が片道式なので、少しリラックスして聞くことが出来る。

 

まず問題にされたのは、一斉休校がどういう科学的知見や根拠に基づいて決断されたか、ということだ。

 

タイムライン
2月24日 専門家会議で「この1~2週間が瀬戸際という意見が出る。」
2月25日 新型コロナウィルス対策本部(具体的な対策言及はなし)
2月26日 ライブやイベントの自粛要求を表明
2月27日 全国小中高一斉休校の伝達

 

この点について、立憲・福山議員が何度も追及するも、安倍首相から出てくる言葉は、「瀬戸際・コドモタチ・市川市等休校を先に決めた自治体」ばかり。
安倍首相にとって、自分より先に複数の自治体が「休校」を決断したことは、そんなに応えたのか?

 

福山議員は、一斉休校するにあたっての根拠が何もないことや、その根拠になり得る「検査」が行き届いていないことを、具体的に追求した。

 

ここで驚くべきやり取りが。

 

安倍首相「かかりつけの医師が必要と考える場合には、すべての患者がPCR検査を受ける十分な検査能力を確保していく。」
福山議員「どのくらい数検査することを見積もっているのか?」
加藤厚労相「3月3日としては、民間で950件、大学等で200件程度、それが10日にはトータルで1500件程度になると聞いている。」
福山議員「それは今までの3800件に加えて、ですか?」
加藤厚労相「これまでは、民間で1250件、5日までにそれが1400件、10日までで1845件。」
福山議員「3月の中旬までに600件しか増えないってことですか?
加藤厚労相「あくまでアンケート調査での数字だが、そういうことだ。」
福山議員「600件しか増えないで保険適用して、総理は会見で『医師の判断において感染を疑う場合には、検査が断られるようなことは断じてないように』と言われたんですか?総理。」
安倍首相「保険適用される中において、能力が上がっていく中において、それを行えるようにしていきたい。」
福山議員「600件しか増えないというのは驚きです。この1~2週間、瀬戸際なんでしょ?瀬戸際終わってから600件増えますよ。」

 

全然やる気がないことがよくわかった。
安倍首相が会見で、「どなたでも」と言ったのは、なんだったのか。
検査も充実させずに、一斉休校なんて宣言をすれば、それはパニックを呼んだだけに過ぎなかったのではないか?
聞けば、韓国では1週間前にすでに一日当たり5000件以上の規模で検査をしていたというのだが、なぜ日本はここまでできないのだろう。
日本とは、それほど能力の低い国だったのか。
近隣国と比べて、この点にガックリした人も少なくないのではないだろうか。

 

今後の検査態勢について安倍首相は、「検査能力のキャパシティを上げる」という意味のことを言ったり、「これまで使われてこなかったキャパシティを回す」ということを強調して見たり、具体的に概算で何件ほどの検査増加を見込んでいるのかとかというようなことには一切触れなかった。
なにか「がんばる」、のような抽象的な努力目標を掲げたに過ぎない。

 

他にも、インフルエンザ特措法で定めたはずのマスクや防護服等の国の備蓄が、いつの間にか安倍政権下で地方自治体に投げる形にガイドラインが変えられていて、現在、国がそれらの備蓄をどれだけ持っているか把握できていない状態などが明らかになった。
すでに医療現場では、こうした物資の不足に戦々恐々としていると、テレビで開業医の大谷医師も言っていたが、政府がこの時点になってもまだ、そうしたことに無頓着であり続けているのは、驚くべきことだ。

 

さて、蓮舫議員が登場する。
まずは、コロナ対策会議をうっちゃって地元の会合に参加した3大臣、小泉進次郎氏、森まさこ氏、萩生田氏を並べ、はじからビンタをするごとく次々に答弁に立たせる。
そして、立食パーティ自粛要請のあとに政治パーティに参加した大臣を次々にビンタ。
西村大臣、竹本大臣、北村大臣を次々にビンタ。
3人とも、杉田水脈議員の政治パーティに参加していたのだ。
そして、秋葉首相補佐官。
これらは、すでに過ぎたこととは言え、改めて国会で言い連ね、議事録に残し、マスコミにもう一度報道させるのは大事なことだ。

ここで、蓮舫氏から大事な指摘が出る。

 

蓮舫議員「総理が唐突にイベント開催自粛を一転して中止・延期要請にしたことも、自治体検討にしていたことを総理要請で一斉に休校としたことも、みんな実はどこで決まったのか分からないんですね。政府の対策会議で結果だけが決まってるんですよ。結果だけが報告されてるんです。そして総理の一日を調べたんですけども、総理が結果をひっくり返す直前に、官邸で総理、官房長官、関係大臣、関係省庁の事務次官或いは総理の秘書官等が入って一時間近くの会議を持たれてるんですね。ここで決めてきたんですか?総理。」
安倍首相「一週間くらい前から考えはあったが、官邸で集まって判断した。(要約)」
蓮舫議員「お認めになられました。この場で判断を固めていって、最終的には対策会議で発表する。議事録全部残ってますか?」
スガ官房長官「総理の下での連絡会合のようなものでの議事録はないが、これから議事要旨をまとめる予定。」←は?これから?
蓮舫議員「議事概要を作っていくということは、メモや資料は残っているということか?」
スガ官房長官「なにもないが、これから議事概要を作っていく。」←後付け?

 

この後、北村大臣に対して、この緊急時の経過をのちの教訓とするためにも、メモや議事録の類を緊急にそれと指定し、整理したのち公文書としてまとめ管理することをやってほしいと要求するが、そんなコ難しいことを北村大臣が理解できるわけもなく・・・。
安倍首相に対して「あの大臣で大丈夫か?」と言うが、文書がないのは首相にとって願ったり叶ったりなのである。
この国からは、公文書がなくなったことで、首相が官邸で身近な人とだけで唐突に、出来るだけ「やってる感」のある思い付きをトップダウンで投げつける、そんな国になってしまっている。

 

もし将来、また似たようなパンデミック騒動が起きたとき、今回のケースはなにも記録として残らず、後世に教訓や経験として残されることはないのだろう、と暗い気持ちになる。
この国は、すでに国家の体をなしていないということを、この感染症案件をもって国民の多くに知ってほしい。
高い勉強代になるが、1人1人に関わりがある問題だからこそ、「桜を見る会」と違って、政権のダメさを身近に実感できる。
本当は「モリカケ」や「桜」で、すでに国民は気付いておくべきだったのだが。

 

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