またまた政府のデタラメな行政の一部が明らかになった。
安倍政権になって設立され、大赤字を出した官民ファンドと言えば、真っ先に思いつくのは「クールジャパン」だ。
が、デタラメファンドは、それだけではなかった。
今回明らかになったのは、農林水産省が所管する官民ファンド
「農林漁業成長産業化支援機構(A―FIVE)」だ。
「官民」とはいうものの、その出資の内訳を見て見ると五分五分ではなく、
国 300億円
民間 19億円
と、大部分が国庫から出ている。
つまり税金だ。
これで、いったい何をしたかったのか、ざっくり説明すると、
まずこの資金で、20年間限定の、株式会社A―FIVEという会社を作る。
日本各地で、その地方の地銀や農協などの金融機関を巻き込みつつ、サブファンドを作り、現地の事業に投資するというもの。
設立された2013年、当時みんなの党の衆院議員だった大熊利昭氏が、興味深いことを語っているので、ちょっと書き起こしてみる。
出資期間は15年です。普通は7~8年でIRR20~30%くらいではないかと思います。
あまりにも低い期待リターンです。
この利回りなら、単なる貸付にすればいい。
「これならサブファンドのストラクチャー自体がいらないのではないか」
余分な「サブファンド」という機関を作ることで、天下りのポストをより多く用意したかったのだろうか。
これが、民間のファンドですと、
まず具体的な事業や会社があってお金を集めるスキームをいろいろと考えるのですが、
やっぱり税金をつかうと、まずお金がありき、ストラクチャーありきで、その後具体的な事業を探しましょうね、という逆の流れで決まっていってるのを確認したやりとりでした。
走り出す前から、この事業のテキトーさが目に余る。
そしてその損失は、18年度までの累積損失で約92億円。
採算を考えない、その運営をうかがわせるこんな記事もある。
そしてさらに、聞いたらクワッと頭に血が上りそうになる事実がもう一つ。
この事業を担当した役員は、今月末に機構を退任する予定ですが、退職金1400万円は満額支払われる見通しです。(2019年6月8日ANN)
世間じゃ、「老後用に2000万円用意せよ」などと政府に言われ、困惑している国民が大半だというのに、この人は、6年間デタラメな投資事業に関わって、6億円の損失を与えて、1400万円を退職金としてガッツリいただくのだ。
この世は間違ってる、と思う人がもっと増えないとおかしい。
追記(2019年6月17日)
おそらく、この前の段で触れた6月に退任する「取締役」の後釜のことだと思われるが、
財務省が、天下りポストを断ったというのだ。
農水系のファンドなので、6億円の損失を出した取締役は、農水省出身の人だと思っていたが、この流れを見ると、財務省の人だったのだろうか。
ワケが分からない上に、あまりのやり放題で、言葉がない。
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