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効果的な事業に使われる気が全くしない「出国税」

2019年1月から「出国税」なるものが導入された。

国籍を問わず、日本から出国する際に一律で1000円が航空チケットに加算される形で徴収される。

今までなかった税金だけに、新たに取られるとなると、なにかモヤモヤする。
だからといって、その1000円にこだわって海外旅行をやめようと思う人はいないだろうし、それが惜しくて帰国を控える駐在員や留学生もいないだろう。

出国するということは、多くの人にとって、さほど「日常的」なことではない。
特別な機会だから、それに1000円ばかり加算されても、モヤッとはするものの、声を上げて反論する人は、たぶんあまり多くない。

そういうところから、チョロっとした金額を取りましょうって発想が、あの「妊婦加算」とも重なるんだよね。

妊婦さんも、生涯そんなに何度もあることではないし、十か月ほどの間、病院に行った時だけ100円~数100円多く取られるというもの。
少子化問題が深刻になっているこのご時世に、なんと非常識な!」という、妊婦ではない一般の多く人の批判を多く浴びて、取りやめにはなったが、妊婦のつぶやきがなければ、問題にはならなかったろう。

この度の「出国税」は、そんな風に、特別な機会にチョロっと取られる、反論しにくい税金なのだ。

そして、この税収は1年で約500億円が見込まれている。
主にインバウンド対策、入管設備などに使われるらしい。

「インバウンド対策」っていうのも、なにか怪しげでイヤな予感がする。
クールジャパンみたいなやつだろうか?
政権の鳴り物入りで始まったあの政策も、赤字だけを残したデタラメの投資だった。

そもそもインバウンドに使われるのかも怪しい。

その最も代表的な例は「復興税」だ。
東日本大震災からの復興を目指して徴収され始めたこの税は、ふたを開けてみると、

シーシェパード妨害対策
沖縄の国道整備
武器車両等整備費
などなど調べれば、まだたくさんヘンな案件がある。

特に最強なのは、ベトナムに原発を売り込むための販売促進ってやつだ。(しかも最終的にはポシャッた)
シャレにならない。

とまぁ、「復興」と名のつく目的税でさえ、まるで「風が吹かないので桶屋に補助金を」みたいな、無理やりこじつけた用途が非常に多い。

この出国税は「特定財源」になるのだが、収入があった分だけ使い切る、余れば最後は適当にばら撒くような無駄が起きやすい性質があるという。
年度末に道路工事が増えるみたいな話だわね。
非常に既得権益と無駄が起こりやすいという指摘がある。
観光庁の独自財源として、好きに使えるウハウハ予算になる可能性大ですね。

徴収が始まってしまった以上、この税金がどんなことに使われるのか、きちんと公開させ、その内容を精査する必要がある。
もしデタラメな使い方をしているようなら、さっさと税制を凍結できるようなシステムが必要ですね。