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「ポイント還元」はいつから「インバウンド対策」になったのか

消費税対策で経産省から官邸経由で打ち上げられた「ポイント還元」の予算がおかしなことになっている。

まず、「ポイント還元」とは、どんなシステムか、今一度おさらいしてみよう。
これは、消費増税に当たっての景気対策として打ち出された政策だ。
10%導入の2019年10月から9か月間、中小事業者で、キャッシュレス(クレジットカード・プリペイド等)で買い物をすると、5%のポイント還元、フランチャイズ加盟店では2%がポイント還元される。これには軽減税率の対象商品も含まれる。
概要は、こんなところだ。

さて、それに関する2019年度の予算案で、計2798億円が組まれていたが、その中になんと400億円もの広告・宣伝費が含まれていたというのだ。
政府全体の1年間の広報予算が83億円だというので、ざっとその5倍。
常識を突き抜けている。

ところで、この「ポイント還元」政策の立ち位置が、ちょっと最近変わってきたような気がする。
最初に「あれ?」と思ったのは、安倍首相の「戸越銀座の商店街でキャッシュレス買い物体験」だった。
その時の、安倍首相のコメントはこう報道されている。

安倍晋三首相(発言録)
初めてだったので、ちょっと緊張したけど、本当に簡単に買えました。10月からはいよいよ(消費増税対策として)5ポイントのポイント(還元)制がスタートします。この機会にキャッシュレスをしっかり生かして、外国人の観光客4千万人に向けて、みなさん頑張ってもらいたいと思います。(2019年2月2日朝日新聞)

ちなみに(消費増税対策として)という部分は、安倍首相は言ってない。
朝日新聞が、文脈を整えるために補ったものだ。
10月から「いよいよ」はじまるのは、「消費税10%」ではなく、「ポイント還元」である、と理解するのがふつうだ。
そりゃそうだ、だれが「いよいよ増税」などというものか。

察するに、安倍首相の頭の中では、「ポイント還元は消費増税における景気対策」だったことはすっかり葬り去られ、「外国人観光客4000万人」を目指したインバウンド政策ということになってしまっているようだ。

先日、志位氏がポイント還元について、「中小事業者は喜んでいない」と、苦言を述べたときも、安倍首相からの反論では、外国人観光客の話ばかりで、「景気対策」という言葉は一切出なかった。

実質賃金の低下で、内需が不安視される中、安倍首相はもう国民の消費には期待をせず、中国人に買い物をしてもらえばそれでいいと思っているのか、と邪推したくもなる。
近ごろ、いやに中国に対していい顔をしてるのも、消費の期待を日本人から中国人にシフトしたからなのか。
隣国にいい顔をするのは、もちろん歓迎なんだけれど。
「中国包囲網」とか言って、外遊すれば行った先で中国の悪口ばかり言ってた安倍首相が、これは一体どういう心境の変化なのかと、不思議に思うし、国民に説明のひとつあってもいいんじゃないかと思う。

ここでちょっと大胆に予想を立てたいと思う。

私は参院選前に、安倍首相はきっと消費税延期を言うと思う。
どう考えても景気的に無理だし、「延期」を公約に掲げた野党と増税で対決できるほど、今の自民党に求心力がない気がするから。
で、プレミアム商品券や、軽減税率は流れるけれど、「インバウンド対策」にすり替えられた「ポイント還元」は残るんじゃないか、と。(ココ重要)

あなたはどう思いますか?

 

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