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「N国」を面白がる危うさ

まさか、ここで「NHKから国民を守る党」、通称「N国」を取り上げる日が来ようとは思わなかった。
「この国の政治は、このくらい底が抜けています。ハイどうぞ、心ゆくまでご覧あれ。」
と言われているような気さえする。

 

東京やその近郊の市町村区の議会に、じわじわと議員を増やしていたころから、イヤな感じはしていた。
まさかこんなに早く国会に打って出るとは思わなかったし、こんなに早く結果を出すことになるとも思わなかった。
当選した後も、間髪を入れず、「戦争しないと」の丸山議員や、渡辺喜美氏を引き込むことで話題性を作り、他の既成野党なんかよりもずっとメディアの露出が多くなっている。
国会で、スキャンダル等で孤立し、居場所がなくなっている議員に声をかけ、憚ることなく「政治活動費2300万円をすぐに振り込みます」などと言って、意識低い系議員をスカウトして回る。
議員会館に入ってすぐ、こうした議員の部屋をピンポンして勧誘に回っているというのだから、驚く。
まるで新聞勧誘だ。
この勧誘に、大臣経験すらある議員さえよろめくというのだから、政治の末法を見ているような気分だ。

 

N国の立花代表は、立候補の手続きに行く時だと思うが、タクシーの中で、選挙のためのお金だと言いながら、現金を見せびらかしている動画をYoutubeにアップしていた。(故鴻池氏風に言えばレンガというやつをいくつか。コンニャクどころじゃない。)
なんでも、年利5%・・だったろうか、利子をつけて政党助成金で返すという約束でYoutube視聴者から資金借り入れしたとか言っていた。
ちなみに、小西洋之議員のツイートによれば、政党助成金を借金返済に充てることは、法で禁じられているそうだ。

 

いったいどういう人たちが、N国に投票したのだろう。
考えられるのは、
「立花氏の差別発言などに共感するコアなファン」
「NHKに不満を持っている人」
「ふざけた政権放送を面白いと感じた人」などが考えられる。
しかし、本当にNHKに不満があって、ここに投票したというのなら、悲劇だ。
政見放送を見れば分かるが、NHKは彼にとって、おそらく「釣り」でしかない。
真剣に、公共放送をなんどかしようという発想ではないことは、政見放送を見れば一発でわかる。

 

今回の選挙では、マスコミは有権者に重大な損害を与えたと思う。
まず、選挙があること自体を、あまり話題にしなかったこと。
これで、投票率は激減した。
あれだけ、ブームを起こした「れいわ」を一切報じなかったこと。
これは意図的に「秘匿した」と取られても仕方がない。
仮に、あの演説に集まったボリュームの人が、タピオカティーの店に並んだとする。
絶対にマスコミが来て、取り上げるだろう。
「今何が起きてる?」を伝えないマスコミなど、あり得ない。
今回の黙殺は、政治的な話を意図的に避けたマスコミに重大な責任があると思う。
そして、N国の本質を選挙前にきちんと国民に知らせるべきだった。
「おもしろ政党」としてではなく、その主張の本質を。

 

そして何より、横暴に受信料を徴収し、政権にぶら下がった報道しかしないNHKの存在が罪深すぎる。
NHKは、ぶっ壊すのでもなく、スクランブルにするのでもなく、政府が持つ人事権、予算決定権を切り離し、独立性を与えるべきだ。
NHKの取材力、ネットワーク力、速報力は、国民の財産だ。
これを有効に使って、国民の情報力を底上げするべきで、「ぶっ壊される」べきではない。

 

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