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横畠裕介 内閣法制局長官の歪んだ万能感

2015年に集団的自衛権が論争されたときには、頻繁に国会に現れて、
野党議員を論破した気になっていた横畠裕介氏だが、
相変わらず同じ勘違いをしているようだ。

国会において、官僚が議員と「議論する」ということが、そもそもあり得ない
言ってみれば、国会の扉を守っている衛視が、「ちょっと待った~異議あり」と、議論に乱入してくるのと、あまり次元が変わらない話なのだ。

今日の横畠答弁を、ザックリ表わすとこんなかんじだ。

小西氏「国会議員の質問は内閣を監督する機能があるっていう答弁書がありましたよね、どう?」
横畠氏「ご指摘の質問趣意書は手元にございませんが、・・・という機能は、もちろんございます。ただ、このような場で、声を荒げて発言する、ようなことまで含むとは考えておりません

官僚が、答弁卓で国会議員にモノ申してる。

これでは、法治国家のど真ん中にいる人が、国会の法的位置づけをあまりお分かりでない、ということになる。

このあと、国会は一時中断され、横畠氏は発言撤回をしたが、
その答弁においても、なにかニヤニヤと相手を小バカにするような薄笑いを浮かべながら話している。
「ニヤニヤする」は違法ではないので感情論になるが、「野党なんぞ怖くない」「論破してみろ」みたいな、安倍政権独特の挑発的な態度が透けて見える。
これをもし、中継などで見たら、大部分の国民は、非常に感情を害されるシーンなのだが、ニュースではなかなかこういう部分を取り上げないので、国会中継をチェックするような一部の人としか、この怒りは共有できない。

残念の極みだ。

数年前には、こんなこともあった。
民主党寺田学、2015年衆議院 平和安全特別委員会でのこと。

寺田議員「集団的自衛権が合憲である、という理由を教えてください。」
横畠氏「毒キノコはどうやっても全体が食べられないが、フグは肝を取り除けば食べられる。」

「内閣法制局長官」という立場の人が、法律の話をしているのだから、法律的な見地から技術的に回答するのが筋である。

国会に官僚が参上するのは、議論するためではなく、現場での認識・状況を説明するために、あくまで参考人的立場で呼ばれているに過ぎない。
選挙で選ばれてもいない官僚が、議員に向かって、殊に野党議員に向かって意見することが、越権行為なのは言うまでもないが、安倍政権以降、こういうおかしなことが、なんだか「日常的」になっている

この事件を「小西議員」という視点から見てみると、小西氏には以前こんな出来事が起きている。

2018年4月、防衛省統合幕僚監部の3等空佐が、路上で唐突に小西議員に対して、「国民の敵」などと罵声を浴びせたという事件だ。

ネット界隈では、小西氏、辻元氏、蓮舫氏等が、軽く言えば「イジってネタにするキャラ」というつもりなのかもしれないが、がその実「名誉棄損、誹謗中傷が許される相手」と認識されているところがあり、匿名の発言者によるおびただしい中傷表現がネットには散らかっている。

自衛官の幹部を担う人が、そういう歪んだ世界観を現実社会でも持っていることに、驚いた。

今回の横畠氏の発言を聞くに、この人も同様に歪んだ世界観を持っているのではないだろうか。

歪んだ世界観で、与党と一致し、ともに邁進する状態にあるのなら、国家として実にきわどいことだ。
そこに、近ごろ流行の「忖度」が加われば、官邸の重要人物がフッと目くばせしただけで、歪んだ世界観を共有した官僚たちが、ザザッと行動に移すのだ。

官僚が歪んだ万能感を持ってしまうのは、官僚のせいというよりも、内閣人事局を通して、人事権をふるう安倍政権に大きな責任がある。
これをして「官僚の暴走」と認識できない程度の人たちに、引き続き政権を運営させるのは、危険極まりないと断言してもいいだろう。

 

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