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千葉大学が打ち出した「全員海外留学」に批判が多いワケ

国立大学の千葉大学が、「全員留学」という取り組みを発表した。
報道をざっくり紹介すると、

・期間は2か月
・大学独自の給付型の奨学金を用意
・大学独自の留学プログラムを展開

ということだ。

私が最初に見たネットニュースでは情報がここまでだった。

これはとてもいい取り組みだな、と単純に思ったのだが、ネット界隈には意外にも否定的な意見が多かった。
そこでいろんなメディアの情報をかき集めてみると、ちょっと無視できない「難点」が目についた。

・必修科目であるにもかかわらず、学生の負担の大小が不明

「必修科目」ということは、落とせば卒業できないということになる。
大学が独自の「給付型の奨学金」を用意するとは言うものの、それをどれだけの人が受け取れるのかは明らかになってないし、そもそも費用を全額カバーする性質でもないことは、

「学内外の奨学金を活用すれば、学生の負担は少なく抑えられる」(日経)

という記事からも、なんとなく窺える。

「少ない」という、主観的なラインはどこに設けられているのか?
経済的な理由で単位を落とすなどという本末転倒なことにならないか、心配だ。

・20年度以降の授業料引き上げを検討

そのために授業料を引き上げるのでは、学生にとっては、海外留学のための奨学金と相殺になってしまわないか。

海外留学という望みもしない必修科目があるゆえに、千葉大学は避けるという悲しい進路選択も起こりそうな予感がする。
派手な花火を打ち上げたわりには、財政面の裏付けがとても貧弱で、この時点で「必修」などと謳ってしまっていいのか、疑問が残る。

授業料でカバーするのではなく、国の財政から関連予算を引っ張る努力(現時点ではものすごく難しいことだと思うが)をし、学生の海外留学の経験が、いかに将来のためになるかということを、大学として広く世に訴えることが先ではないだろうか?

千葉大学は、海外留学を通して学生をどう育てたいのか

早速、大学のHPで資料を探し、下のようなPDF資料をみつけた。

http://www.chiba-u.ac.jp/others/topics/2019/20190124engine.pdf

グローバル人材育成”ENGINE”

・・なんか想像してたのと違う・・。
カタカナが多い・・・ 。
マーケティングアプローチのプレゼンみたい。
 

外注しました感」丸出しのオサレなプレゼン資料。
これ、言われなかったら大学のものとは、ちょっと分からないかも。
経産省推進プロジェクトみたいなこれが、大学の取り組みとはちょっと信じ難い。

つうか、2か月の海外留学でこれを目指すの?

最初にニュースを見たときは、大学が学生の人間的成長を考えて作ったプログラムと思いこんでいたけど、調べれば調べるほど、どうやら学問という重点からは大きく外側に外れた、「企業人養成の下請け」的発想から思いついた取り組みにしか見えない。

願わくば、これが企業とのタイアップでしたなんてことではあってほしくない。

 

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