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秋田県庁で職員が「じみんとうガンバレ」の異常

秋田市の新屋地区に配置を目指している陸上イージス。
参院選が近づいている今年の6月になって、いい加減な事前調査があらわになり、説明に駆け付けた役人が会場で居眠りをするなど、続く失態で、地元住民の気持ちを逆なでしまくっていた。

県民からの反発を抑えきれない秋田県知事は、

佐竹知事や県によると、県のホームページなどを介し「非国民だ」という内容などの批判が寄せられているといい、知事は「(陸上イージスを引き受けず)『秋田には原発もなく、日本の何の役に立っているのか』『知事辞めろ』といっぱい来ている」などと嘆いた。
(2019年6月24日毎日新聞)

こんな風に、イージスを拒否することで全国からバッシングされていることで同情を求めた。
これは確かに、県外から寄せられる無責任な誹謗中傷として許すことはできない。

 

また、それでも強引に秋田にイージスを誘致しようという政府に、佐竹知事はこんなふなより強い言葉で中央政府に反発もしていた。

佐竹敬久知事は27日の記者会見で「秋田が貧乏県だからいいだろうと馬鹿にされているような気がする。プライドの問題だ」などと厳しい言葉を連発した。
(2019年6月29日朝日新聞)

これを見て、多くの他県の人たちは、佐竹知事は骨があるなと感じたのではないだろうか。

 

だが、参院選挙が始まると、彼の態度は一変した。

10日午後0時半すぎ、参院選候補者の選挙カーが県庁前の道路に横付けし、陣営が県庁に向かって演説を始めた。正面玄関前には佐竹敬久知事を先頭に県幹部や一般職員、関連団体関係者らが集まった。
陣営が「皆さんから応援をいただいて、何とか勝たせていただきたい」などと支援を呼び掛け、知事や職員らは拍手を送った。昼休み終了の午後1時を過ぎても演説は続き、1時10分には陣営関係者の呼び掛けで勝利を期した掛け声を上げ、知事や職員らも右腕を数回突き上げた。
(2019年7月11日秋田魁新報)

下がその様子だ。

秋田県の選挙事情は、この記事で

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記事中にある、選挙カーを県庁前に止めた候補者とは、言わずもがな自民党の中泉松司氏であろう。
一連のイージス事件で、県内の自民党の評判はすっかり悪くなってしまった。
そして数日後には、安倍首相も選挙のテコ入れに訪れる。
県民の手前、強気で中央に物申したのはよかったが、やはり佐竹知事も、上目遣いで官邸の顔色を窺う情けない人物だった。
しかし、やり方が常軌を逸してしまった。
そして、これが問題視されたことへのコメントもまたヒドイ。

佐竹知事は取材に対し、「時間的に(昼休みを)オーバーしたのはまずかった。(敷地内で候補者陣営と共に掛け声を上げるのは)悪いという法律はない。あとは、見る人がどう取るかだ」と話した。

「見る人がどう取るか」って、ダメに決まってんだろうが。
正気を失ったコメントとしか思えない。
「セクハラ罪という罪はない」などと、口の曲がった大臣も言っていたけど、まさにあれと同じ論法だ。

 

「公務員の政治的中立」という点から問題を語るのが、王道だと思うが、それよりも個人的には、この職員の中にどれくらいイヤイヤこれに付き合った職員がいたかが気になる。
この中には、非正規職員もいるだろう。
「いや、公務員の中立性という観点から、これはできません」
なんて正論を言ってしまった日には、「契約延長なしね」という報復も待っていることだろう。
バカバカしいと思いながら、これに付き合わざるを得なかった職員のことを思うと胸が痛む。

 

本人の同意も取らずに、無理やり誰かを応援させる、といえば、思い出すのはこの映像だ。

日本人は、どんどんこういう異常なシーンへの感覚がマヒしつつある。
政治の荒廃は、人心をも荒廃させる。
安倍首相というか、官邸を取り巻くアベ的な権力の暴走は、田舎の公務員の末端まで、こうしてドミノ式に影響を及ぼすのだ。

 

「秋田が貧乏県だからいいだろうと馬鹿にされているような気がする。」
こんなことを言った佐竹知事だが、中央政府が一番バカにしているのは、佐竹さん、アンタだったんじゃないのかね。

 

秋田県選挙区の寺田静氏の健闘を祈りたい。

 

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