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トランプ祭りの果て、日米貿易交渉

2019年5月25日トランプ大統領が日本にやってきた。
もう5回目になるのだそうだ。
今回も横田基地から入国するのかと直前まで噂されていたが、トランプ大統領は日本の正面玄関である羽田空港にランディングした。
背景になにか理由があったのかどうかは、分からない。

 

トランプ氏の訪日中、マスコミの見出しには「異例の厚遇」「令和初の」という言葉が躍った。
「外交」というより、「お祭り騒ぎ」という言葉の方がしっくりくる。

 

特に「相撲観戦」では、いろいろ異例尽くしだったが、トランプ氏への特別扱いよりも気になる「特別扱い」があった。
政府は、事前に正面升席1000席を抑え、一般の客にとっては、当然いつもよりチケットにありつくことが、はるかに難しい千秋楽となった。
しかし会場には、安倍首相の「極右部門のオトモダチ」である、金美齢氏、桜井よしこ氏などが一般に混じってちゃっかりと観戦しており、大統領の退場時には、SPに阻まれることもなく、トランプ大統領とこれまたちゃっかり握手を交わしていたのだ。
安倍首相と至近距離で交流のある人が、おしなべて彼を「いい人だ」というのは、彼のこういう日ごろの気遣いが、実を結んでいるのだろう。

 

ちなみに、共産党の宮本議員がこの特別な相撲観戦にどれだけの予算をかけたのか、外務省に問い合わせたところ、「警備上の理由」で回答を断られたという。
ちょっと言えないほどに経費をかけて、交渉はいつもいいところを持っていかれるわけだから、営業マンだったらとっくに左遷である。

その「交渉」はこんな風になっている。
今回、貿易交渉の結果は具体的に出てこないものの、多くの人にイヤな予感をもたらすのは、トランプ氏がツイッターに次のような書き込みをしたからである。

「日本との交渉では、大きな進展がある。農業と牛肉でかなり。私が見込むすごい成果の大部分は、7月の選挙の後に出ることになる。」

 

なぜ、選挙の後まで待つのだろう。
このトランプ氏の意向に対して、記者会見で安倍首相が質問を受けると、
「議論をさらに加速させることで一致しました!」
と、いつもの「トランプ大統領と一致した」という意味不明の回答。
安倍氏の言う「日米双方にとってウィンウィンとなる結果」となるのなら、選挙前にむしろ交渉結果を発表して、安倍政権の手柄にすればいい。
これを「待ってもらう」というのは、どう考えても日本にとって悲惨な結果が待っているとしか思えない。

 

日本のマスコミを見ていると、交渉結果はまだ出ていなくて、あくまで選挙が終わってから改めて交渉を始めるという視点の報道がほとんどだ。
NHKに至っては、これはトランプ大統領の米国農家の支持層に向けてのアピールに過ぎないだろう、と無理にユルユルの判断を付け加えている。

そんなはずないだろう。

ライトハイザー通商代表がトランプ氏より一足早く来日してまで準備しているのだ。
しかも、交渉項目には「農産品」「自動車」「為替」などといくつかの項目があるのにもかかわらず、トランプ氏はあえて「農産物とビーフ」と明確に指している。
これは、ほぼ売り渡したと予想していいレベルではないか?

経団連と最も関わりの薄い農産品を売り渡すのが、安倍政権が選びそうな選択肢だが、関税率がTPPを下回るようなことがあれば、国内だけではなく、TPP加盟国から苦情が出ることにもなる。

この選挙で、農家の票はどう動くのか?
そして、選挙後にどんな交渉結果の発表が飛び出すのか。

 
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