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政府統計の信頼性がどんどん落ちている

またしても厚労省の不祥事だ。

毎月勤労統計調査」で、対象とすべき企業をすべては調査せず、その中から抽出した対象だけをサンプルとして統計を取っていたという。

抽出」ってところに、もう意図的なにおいがプンプンする。
厚労省にとって理想的な結果が出る対象を抽出したのだろう。
でないと、「抽出」する意味がそもそもない。

報道では、「厚労省のミス」「誤り」なんて言われてるんだけど、これをそんな善意に解釈するのは、今の国民にはもう無理なんじゃないかね。ヤレ改ざんだ、ヤレねつ造だで、省庁が都合のいいように、「調節」をしていることは、みんな手に取るように想像できちゃってる。
籠池夫人流に言う、「鉛筆ナメナメ」なんていう、ちょっと修正するレベルではない。
サンプルからいじっちゃうんだから。

厚労省は、この勝手にサンプル抽出した統計結果を、「全サンプル調査しました」という恰好で発表していたというのだから、悪質極まりない。
最初からウソをつくつもり満々ではないか。
これほどあからさまなデータ改竄を、マスコミはなぜ「ミス」などと甘く報じるのかね?

そしてこの嘘っぱち「毎月勤労統計調査」は、国の「基幹統計」とされていて、政府の経済分析、失業給付の算定基準、GDPの算出にも使われているほど重要な統計というから驚く。

経済分析もGDPも正しくないんじゃないの?と言わざるを得ない。

そういえば少し前に日銀が、「国の算出するGDPがなんかちょっとアヤしいので、自分らで計算したい。ソースをよこせ」と主張したことがあったね。あれも驚いた。
結局ソースを見せてはもらえなかったようだけど、そりゃ見せられなよね。
裏でこんなことしちゃってるわけだから。

中央銀行が政府算出の数字を「アヤシイ」と思うなんてのは、もう「国」としての体をなしてない、と言ってもいい。
日銀も、それを公で言っちゃうかね?っていう二重の意味でも驚いた。

日銀としても、ねつ造されたデータで金融調整させられて、経済がおかしなことになったら自分たちのせいにされるのは堪らない、と思ったのかな。
つまり日銀が責任問題について考えを巡らせなければならないほど、経済のおかしさが明るみに出る日は遠くないということなのかもしれない。

基幹統計は、病院に例えれば、健康診断の結果数値のようなもの。
医者はその数値を見て健康あるいは病状を判断し、必要があれば薬を処方する。
その数値がテキトーにいじられるということは、病気が発見されなかったり、悪くもないところを治療するための薬を投与されたりするのと同じだ。

手抜きの意味で、調べもしないでいい加減な数値を当てはめようが、サンプル操作し作為的な数値を当てはめようが、結果的に間違った診断になることは間違いない。