「おとう飯」という言葉を聞いたことがあるだろうか
「おとうメシ」ではない。
「おとうはん」と読む。
内閣府男女共同参画府による「子育て世代の男性の家事・育児等、中でも料理への参画促進を目的とした」キャンペーンである。
専用HPで、男性向け(?)レシピを紹介したり、地方自治体の首長さんたちが、料理を作った記事を載せたり、各地で料理教室を開催したりしている。
2017年6月から始まり、1年半が過ぎようとしているが、
認知度はいま一つ
なのだそうだ。
そりゃそうだろう。
色んな意味で「カンジの悪い」事業である。
「簡単に、手間をかけず、見た目が悪くても美味しければ、それが『おとう飯』」
というキャッチフレーズは
「女性にはそれ以上のレベルを求めているようでおかしい」
などとと、導入時に多くの女性から批判が殺到した。
「おとう飯」という造語も、翌年の流行語大賞ノミネートにロックオンしてつけたようないやらしさがある。
そんな安い啓蒙活動で、世の家事をしない男性が、急に料理を作ったりするようになるはずがない。
どんな人が「おとう飯」を考案したか
働く女性が増えたから、その負担を減らそうと考えた時に、
真っ先に「ごはん」が思いつくところから、ある程度の想像がつく。
家族をもつ女性にとって、家事の中でなにが一番負担かというのは、実はかなり人による。
料理は好きだが、掃除は苦手、という主婦は少なくない。
子どもの世話も、その年齢によっては、食事の用意なんかよりもはるかに重労働だ。
では、なぜ「ごはん」なのか。
これには理由がある。
「家事をしない男にとって、やり手がなくなると真っ先に困るのが、『ごはん』なのだ。」
一週間くらい掃除をしなくても死にはしないけど、「ごはん」がないと、たちまちその日のうちに困ったことになる。
ほら、どういう人が発案したか、なんとなくその輪郭が見えてきたのでは?
コレ、絶対に自分は家で料理をしない、昭和の男のアイデアだ。
予算はどうなっているの?
国民としてはここが最も気になるところだ。
を調べてみた。
男性の家事・育児等参加応援事業 18,434千円(1843万円)
というのがある。
これが「おとう飯」に全部充てられているわけではないのだが、
をみると、
・「男性の家事・育児参画コンセプトポスター」作成・配布
・「夫婦が本音で話せる魔法のシート ○○家作戦会議」作成
・「おとう飯」関連事業
という、いかにもつまらなく意味のない事業の内容が集約されている。
1800万円というのは、国の事業としては少額なものだと思うけど、こういう「宣伝系」の意味のない小規模事業がおそらく無数にあって、まとめると高額な利権になっているのだろう。
一連の事業を、内閣府男女共同参画府の下で運営している「有識者」(でました!ユーシキシャ)メンバーリストが
こちら。
古平 陽子 電通総研 主任研究員
臆面もなく、こんな名前が載っていて、笑いしか出ない。