22日、第5回目の野党ヒアリングで立憲・石垣のり子議員が、シュレッダーにかけられたいわゆる内閣府の「参加者全員分の名簿」のデータが、府内のどこかに残っているはずだと追及した。
「アクセスログやファイル生成記録が残らないというのはおかしい」と追及する石垣議員に対して、「技術的に難しい」を繰り返す、酒田元洋内閣府総務課長。
「技術的」と言えば、パソコン音痴はひるむとでも思っているのだろうか。
話をはぐらかしているのか、当人もよく知らないのか、弱気そうにボソボソとしゃべる酒田氏に、石垣議員は容赦なく要求する。
酒田元洋内閣府総務課長「すいません、あのーすべてにお応えできるか・・この場では・・お答えできないと・・」
原口議員「あるんですよ。あるものを出して。」
酒田氏「(要約)グダグダ・・あるのか、ないのか、この場では答えられない・・グダグダ。」
石垣議員「あるとか、ないとかではなく、そもそも契約をされている段階で、確実にないと困るものですので、あるはずです。」
内閣府の中年以上のお役人の人たちというのには、どれほどPC知識があるのだろう。
知るすべもないが。
若い石垣議員に、これだけの各種マニュアル名をポンポンと出され、それが何を指すのか理解しただろうか?
まぁ、この酒田氏が理解したかどうかは、あまり問題ではない。
分からなければ、当該担当者に尋ねればいいことなのだから。
しかし、びっくりさせられるのは、週末を挟んだ4日後、第6回ヒアリングでの酒田氏の回答だ。
酒田氏「(要約)グダグダ・・セキュリティ上の理由で開示できない・・グダグダ。」
おいおいおい、ちょっと待って。
石垣議員が要求したのは、「公文書記録用サーバーの仕様書、構築の際の契約書、サーバー及びサーバーに紐づいたクライアントPCの運用マニュアル。さらに、文書の削除を行う際の運用マニュアル」だったんだけど・・・・
その回答が「Outlook2016」マニュアルって、どういうこと??
メールサーバーの運用マニュアルとして「Outlook2016」の使用説明書を出してくるって、「高学歴がバカを装ってみた」みたいな劇場型のおとぼけ答弁なのだろうか。
それとも、高学歴が「仕様と使用を勘違いしてみた」みたいな寸劇か。
しかも内閣府、「文書の削除を行う際の運用マニュアル」に関しては、「シュレッダーにかけます」と回答して来たらしい。
バカなのか???
それともこちらを、その程度で煙に巻ける「バカ」だと思っているのか。
官僚たちが、物理的に面と向かっているのは野党議員で、ひょっとしたら与党から「野党はバカにしてもいい」と刷り込まれているのかもしれないけれど、この人たちは、その後ろにいる国民の姿も想像できないくらい、頭が劣化してしまったのだろうか?
驚くのはこれだけではない。
内閣府は、ご丁寧にもこの「Outlook2016」使用説明書に「黒塗り」を施して提出したのだ。
マイクロソフトが配布しているようなマニュアルの、いったいどこを黒塗りしたのか?
こんなものを「開示」してくること自体が、人をバカにした茶番なのだが、さらにそれを「のり弁加工」するとはなんのつもりなのだろう。
黒塗りすることで、「公文書らしく」見えるという演出なのか?
こうした細部の出来事は、残念ながらメディアに取り上げられることはない。
残念だが、それは仕方がないとも思っている。
しかし、「桜を見る会」の一連の騒動で、決して腐っているのが長期政権だけではなく、その下で働いている官僚たちにも、腐敗が侵食していることを実感させられた。
メディアの安倍応援団には、シュレッダー視察を「くだらない野党のパフォーマンス」と蔑む人もいるが、そもそもこれは「シュレッダーが3週間の順番待ち」という、子供でもためらうような底の浅い官僚のウソに付き合わされている結果だ。
世間で「シュレッダーなんてくだらない」という人は、新聞の見出ししか読んでいないことの証左で、むしろその発言から、いま政治で起きていることを、きちんと把握していないということを宣言しているに等しい。
大手メディアには報道されない、野党ヒアリングでの小さな「腹の立つ」やり取りを、小さなメディアとしてこのブログに書き留めておきたい。