6月22日、赤木ファイルが裁判に提出された。
これを機に、このブログを開設する以前に書いた、改ざん問題に関するツイートを転載する。
2018年5月、森友文書の一部が国会に提出された。
その時の記事↓
財務省によると、提出資料は交渉記録が約900ページ、決裁文書が約3000ページ、メモ約30ページ。いずれも大阪地検から入手したコピーや職員が保存していたメモなどをもとに確認した。同省は昨年2月以降に佐川氏らの国会答弁との整合性をとるために決裁文書を書き換えたのと同様、保管されていた記録の廃棄を進めていたことも認めた。経緯について調査を進め、速やかに結果を報告するという。
(2018年5月23日ブルームバーグ)
以下のツイートは、その時に公開された文書を一通り読んだときのものだ。
2018年のツイート
森友学園・財務省が国会に提出した交渉記録のPDF
せっかくなので目を通してみようと思う。
鴻池氏秘書から電話「地主である大阪航空局の担当者を教えて」
航空局の「特に売却する意思なし」という回答も添えて、近畿財務局は一連のやり取りを本省に報告している。本省は「航空局に、うかつに回答するなと伝えよ」指示、と同時に今後も報告せよとも指示。(PDF32項)
コンニャクの前年の話。 pic.twitter.com/I8sEXMl6DI— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
文書を改竄・隠匿した財務省が、自ら出てきた文書を「検閲」してから公開するってのは、おかしなプロセスだね。これじゃ、空き巣に指紋検出させるようなもんじゃないか。その点に関してもっと国民から批判があっていいんじゃないか。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友・改竄前文書】府私学課には「建設予定地の確保もなしに私学認可できない」という事情があり、財務局には「私学認可されるか分からない学校に、学校建設目的で土地を売却できない」という事情があり、両者立場の矛盾が続く。極めて申請者の事情である事柄を、異なった役所が相談する不思議。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
府私学課が財務局に対して、
「本校を開講して、生徒が本当に集まるのかが心配である。」
と漏らし、さらに
「相手方からの相談を一方的に打ち切るのは難しい」
と嘆く。
生徒が集まるかどうか心配されるような学校に、認可を出さなければならない苦悩ってことかいな。それにしても筋違いな相談。 pic.twitter.com/zDvIEheIpU— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
小学校建設に向けて前進したい府私学課と財務局が、お互いの立場の矛盾に苦悩しているところへ、鴻池の名を出し煽り立てる籠池氏。
(PDF64項) pic.twitter.com/5nFBwUzbtg— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友・改竄前文書】府私学課には「建設予定地の確保もなしに私学認可できない」という事情があり、財務局には「私学認可されるか分からない学校に、学校建設目的で土地を売却できない」という事情があり、両者立場の矛盾が続く。極めて申請者の事情である事柄を、異なった役所が相談する不思議。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
PDF88項目で「安倍晋三記念小学校」の名が登場。その前の66項目には、黒塗り部分があるのだが、ここにはこの名称が入ってたんじゃないのかな。 pic.twitter.com/DZZrJ1pDP6
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
「毎回同じような話をしているが」と始まり、籠池氏に関する愚痴。事務的な文書ではなく、人間模様が見える。ちょっと面白い。
財務局から私学課へ電話(PDF95項目) pic.twitter.com/W94t5esHwg— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
豊中市、勝手に始めた籠池氏の寄付活動に関して問い合わせを受ける。市としてはこう答えておくので、財務局も対応よろしく、という内容。
それにしてもこの黒塗り部分、どんなワードが入るのだろう。テストみたい。想像していろいろ当てはめてみると面白い。(PDF104項目) pic.twitter.com/DqpM64SLBz— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】森友学園が、小学校設置に関して豊中市に歓迎されているかのような関係を図りたいのに対して、財務省は、そうではなくこういうふうにしたほうがいいのではないかと提案までしてる。違和感を覚える親切さ。そして、寄付の働きかけで憤慨した人物とは誰なのか。(PDF182項目) pic.twitter.com/ny283qWfsy
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【続き】地元や自治会への説明は必須ですよ、という財務省に対して、「そこまでするのは業務外」とコンサル。いやいや、大事なことなので学園側に進言してくれとお願いする財務省。
「今回の事業計画を予定通り進めるために」
事業計画が、森友というより、いつの間にか役所の目標になっている不思議。 pic.twitter.com/UC5MaHK0pb— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】籠池夫妻のトンチンカンぶりがよく表れている行。こんなスットコな夫婦を相手に、アドバイスしたり他の役所と連携したりして必死に「事業計画を予定通り進めようとする」財務省の意図がただただナゾ。(PDF208項目) pic.twitter.com/kVE2KQsjO6
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】読んでいる森友文書、2014年末までは私学審に通る通らないという話がメインだったが、2015年に入ったあたりから、籠池氏による「安くしろ」アピールが始まる。添付は鴻池氏秘書による値引きの照会。赤線から、まだ財務省が正気を保っていることが窺える。(PDF309項目) pic.twitter.com/E7Xpb9FRuU
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年2月17日、故鳩山邦夫氏の秘書が登場、値引き交渉するが、財務省の回答に「これは無理筋」とあきらめた感じ。この時点でも財務省は正気を保っている。この「正気」がどういう経緯で「ゴミ偽装」にいたるのか、興味がある。 pic.twitter.com/GGUsYYfk2h
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年2月17日籠池婦人節が炸裂。値引き交渉に応えられないと「地獄に行くぞ」とまで言われ、それでもなおこのトンデモ夫妻に付き合い、必死に「事業計画を予定通り進めようとする」財務省の態度は、なにか他に動機がない限り謎。(PDF330項目) pic.twitter.com/dpPooXd8QQ
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年2~3月、値引きの交渉といったら、ふつうは下手に出そうなものであるが、籠池氏はこの頃からむしろ横柄になる。また、これまでの学校設置コンサルや司法書士に加えて「弁護士」というのが、森友側に現れる。酒井弁護士か?弁護士登場あたりから土地の鑑定方法の議論が始まる。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年3月12日、値下げを迫る森友側に対して、この取引は公開され公平性を担保する必要があるので、そんな無理筋なことはできません、と3枚にわたる正式文書で断っている。財務省、この取引をのちに公開する前提で話している。まだ正気。(PDF382項目) pic.twitter.com/iEMg09Wvo9
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年3月25日、これまでただ値段を下げろと訴えてきた森友側が、ボーリング調査と軟弱地盤を言い始める。ゴミとは言ってない。不良土地にを売りつけようとした落とし前をどうつける、という感じの態度の森友。雲行きが変わってきたぞ。 pic.twitter.com/N2CIAhHaEe
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年5月1日、軟弱地盤の名目である程度の値引きにありつくも、まだ森友の目標額に足りず。売買書類作成の印紙代にまで文句を言う。売買契約に伴う違約金にも大変な不満。とにかくカネがない森友。(PDF486項目) pic.twitter.com/3hzjpPQHNU
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年5月1日、軟弱地盤の名目である程度の値引きにありつくも、まだ森友の目標額に足りず。売買書類作成の印紙代にまで文句を言う。売買契約に伴う違約金にも大変な不満。とにかくカネがない森友。(PDF486項目) pic.twitter.com/3hzjpPQHNU
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年5月27日平沼氏秘書とのやり取り。籠池婦人にあそこまで罵詈雑言を吐かれた同日、さぞ腹立たしいであろう担当者、にも拘らず本件は「大変重要な案件」かつ「特例的な取扱い」だという。明らかに何か力が働いてるね。(PDF547項目) pic.twitter.com/nQsfGjwkGn
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年6月16日、6月8日の貸付契約成立。汚染や埋蔵物を除去するにあたっての費用は国が持つ準備があるけれど、こういう資料はキッチリ提出してね、という指示。汚染や埋設物は本当にあるかもという前提の財務省。(PDF588項目) pic.twitter.com/iy7mTWJeNs
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年8月5日、国交省副大臣北側氏、自民・柳本氏、鴻池氏、平沼氏、昭恵夫人の名を出し、「賃料を下げろ」または「低い売却額で売れ」と迫る籠池氏。(PDF644項目) pic.twitter.com/3NEQWzJnQQ
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年8月26日、森友、この頃から地下埋蔵物について主張し始める。(PDF672項目)
8月には1トン当たり5000円だった処理費用が、9月4日になると1トン当たり40,000円かかると言い出す。(PDF679項目) pic.twitter.com/kzPx48LF48— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
理事長、副園長(要するに籠池夫妻)から航空局への罵詈雑言 約30分
という記載に苦笑。
取引内容とは関係のない事柄なのにもかかわらず、文書内にこういう記載が頻繁に出てくる。担当者のストレスが伝わってくる。 pic.twitter.com/9D804pvp3M— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】201510月8日、森友学園の支援者から、国交省の北川副大臣秘書に、埋設物撤去の費用負担を予算化するお願いをしたというが、籠池氏本人ではなく「支援者」とある。誰だ?ナゾのFAX添付あり。(PDF720項目) pic.twitter.com/N5KplbsLos
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年11月10日、今回公開された文書では初めて出てくる谷査恵子氏の名。(PDF731項目) pic.twitter.com/PvarXRqKLp
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2015年11月12日、安倍総理夫人付・谷氏から問い合わせ。介護施設に対する定期借地の優遇制度を、森友学園にも適用できないか。(PDF732・733項目) pic.twitter.com/ZineSXCVu7
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2016年1月6日、減額売り払いをしろと無理を迫る籠池氏。「本件は鴻池氏の口利きで進めてきた話」と言うが、鴻池氏によれば、確か2014年4月に議員会館を訪れた夫妻が、氏に「無礼者」とコンニャクのようなものを叩き返され、出入り禁止になったのではなかったっけ・・・。(PDF778項目) pic.twitter.com/suABcn81AP
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2016年5月27日、木村真市議が初登場。ほほう、この時点ではまだ森友学園とは売り払い契約がなされていなかったのか。この頃、学園と財務局の間では、埋蔵物撤去費を差し引いた減額売却が検討されているが、算出方法に疑いのある途方もない撤去費はまだ提案されていない。(PDF897項目) pic.twitter.com/jXzG6h1DPX
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2016年6月1日、1月には強い態度で「減額売り払いの検討はできない」と拒んでいた財務局、3月あたりから「多少の減額売り払いもできなくはないが、ご希望の金額までは無理。」になり、とうとう籠池氏の希望金額キタ。このプロセスの文書、絶対大量に抜けてる。(PDF908項目) pic.twitter.com/kN3saBdEVW
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】2016年3月29日、これまで有益費としてゴミ撤去にかかった費用を負担しろという要求だったのが、その額を差っ引いた額で売り払ってはどうかという提案が浮上する。(PDF858項目) pic.twitter.com/jMiz6r97Y8
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】細かい約款や添付資料は飛ばしたが、面会・電話記録はすべて目を通した。時系列とともに登場人物の態度が変わっているのが分かる。2016年3月を超えたあたりから文書の日付がまばらになり、唐突に財務局の回答に変化が出ていることに気づく。大量の文書が抜け落ちていると想像する。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 24, 2018
【森友文書】公開された968ページは、貸付でもいいので土地の確保がないと私学審にかけられないという籠池氏の陳情付近からはじまり、結果的に9割値引きで売却されるまでの時系列がカバーされている。しかしこれは財務省が発見した文書の約4分の1に過ぎないので、まだその多くが非公開となっている。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 25, 2018
たったの4分の1・・・。
全体の中で昭恵氏周辺との絡みはごくわずか。むしろ鴻池氏の方が多く登場する。今回公開された文書の範囲で、昭恵氏が関わった決定的な証拠というくだりを探すのは困難である。そりゃそうだ、財務省が検閲してるんだから。むしろこの資料は、財務局職員の態度やその変化がよく表れている。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 25, 2018
時系列の冒頭部分から財務局職員は、なにかにつけて「この事業を進める努力」をしていて、どう考えても財務省職員の業務外であると思われるアドバイスまで懇切丁寧に籠池氏に施している。この時点ですでに現場の職員は「この案件を進めなさい」と指示をされていたことが伺える。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 25, 2018
しかし意外だったのは、9割引き売却が成立する2016年3月の数か月前くらいまでは、籠池氏が昭恵夫人等の名を出そうとも、「この取引は事後に公開されなければならない、不当な取引は決して出来ない」と一貫して値引きを拒否していること。常に取引の事後公開の前提が彼らの頭にあったことだ。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 25, 2018
公開・透明性という考えが常にあった財務局の職員から、それが急に吹き飛ぶのは売却から遡った最後のわずか数か月。ここで間違いなく何か大きな力が動いたはず。それまで一貫していた職員たちの業務に対する実直さが、「忖度」などという軽いものでひっくり返るとは到底思えない。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) May 25, 2018
下のツイートは、交渉メモが公開されるさらに前の2018年3月のもの。
ここで分かるように「本件の特殊性」とは、安倍昭恵氏よりも、日本会議とそれに繋がる安倍、麻生、平沼の名前や、きゅいく直後や国歌斉唱といったその活動内容の特殊性にあると言える。
左の文書から右の文書で消された部分こそ、核心であったと言えると思う。
「本件の特殊性」は
特例承認の決裁文書②から削除されたこの部分にあると思う。 pic.twitter.com/DwC01Y91hL— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) March 14, 2018
森友問題は、この特殊性から生じた「国有地の不正売却」、と財務省の「公文書改ざん」という二本立てから成っている。
2021年6月22日に財務省から裁判所へ提出された「赤木ファイル」は、後者の改ざん問題に関係する資料ではあるが、残念ながら不正売却の経緯とは関与していない。
この問題の本体である「国有地の不正売却」は、多くの政治家が関わっているにもかかわらず、全く解明されてない。これは時が経ようと根気強く追わなければいけない。