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菅原一秀前経産相の不祥事が止まらない

また文春砲だ。
日本の報道メディアたちは、一体なにをしているのだろう。
権力の不正を暴くメディアは、もはや文春だけということなのか。
なんとも情けない。

 

メロン、カニ、みかん、たらこ、すじこなどを地元の有権者に配ったことで、一躍有名になった菅原一秀氏をこのブログで取り上げるのは、実は初めてのことだ。
せっかくなので、ことの起こりから経緯をまとめてみる。

 

メロン大臣は、彼の秘書が香典を届けているところをバッチリ文春に写真を撮られたことが命取りとなり、約40日ほどしか就いていなかった経産相の席から追われた。
2019年10月25日のことである。
辞職後、国会がないのをいいことに、メディアの前から雲隠れし、ひっそりと息をひそめてきた。
自民党お得意の、「国民は時が経てば忘れる」作戦だ。

 

辞任直後は憔悴したような顔で、記者から逃げ回っていた菅原氏だが、腹の中は案外したたかで、実は同年12月にはこそこそと、そしてチャッカリと地元活動を開始していたのだから開いた口が塞がらない。
これはあまり大きな話題にならなかったが、赤旗が報じている。

 

疑惑の渦中にありながら国会で説明責任を果たさずに雲隠れしていた菅原一秀前経済産業大臣=衆院東京9区=が24日、東京都練馬区にある大学病院の竣工式であいさつしていました。
(2019年12月26日しんぶん赤旗)

 

この頃はカジノがらみの汚職で秋元司氏が逮捕されたことが話題だったので、自分の旬はすでに過ぎたとタカをくくっていたのだろうか。

 

年が明け、1月20日に通常国会が召集されると、漸くメディアの前に姿を見せた。
そこで、これまで説明もせずに雲隠れしていた理由を質されると、地元活動をとっくに再開していたくせに、体調がすぐれず医者の診断を受けていたと言い訳する。
病名は「睡眠障害」。
あれ、どこかで聞いたような・・・。

 

甘利明氏の時と同じ理由だ。
これは自民党のお家芸なのか?

 

その通常国会も終わろうとしていた6月16日、メロン菅原氏は突然メディアを集め、記者会見を開きお詫びを述べた。

 

菅原氏は「私が海外にいた場合、公務で葬儀に参列できない場合に秘書に出てもらい、香典を渡してもらったことがある。枕花の提供もあった」と認めた。公選法で認められていないという認識はあったといい、「反省している」と語った。
(2020年06月16日時事通信)

 

なぜいま?
多くの人がそう思ったに違いない。
しかも「違法性は分かっていた」と発言したことで、これは当局の捜査は免れないだろうと思われた。
折も折、黒川検事長が賭けマージャンで失脚し、新たな体制の下で検察は河井夫婦事件をガンガン捜査していたからだ。

 

ところが6月25日になると・・・

 

自民党衆院議員の菅原一秀前経済産業相(58)の公設秘書が選挙区内の有権者に香典などを渡した問題で、東京地検特捜部は25日、公職選挙法違反容疑で刑事告発された菅原氏を不起訴処分(起訴猶予)とした。菅原氏が経産相を辞任し、記者会見で謝罪したことなどを考慮したという。
(2020年6月25日日経)

 

検察に、不起訴にするから会見を開いて謝罪をするように諭されたのか?
「謝ったら罪を許されるのか?」と、ネットでは多くの批判があがった。
結局、官邸の守護神、黒川検事長が退いたところで検察の体質は変わらないということか。
これには多くの人がガッカリしたと思う。

 

そこでさらなる文春砲だ。

 

「菅原氏は毎年、練馬区在住の有権者800人以上を集め、関東近郊の景勝地などを巡るバスツアーを催しています」
案内状には「第24回すがわら一秀後援会連合会練馬東地区バス旅行」と明記してあり、会費はバス代、昼食代、その他込みで1人あたり9500円とある。・・・
「週刊文春」が入手した極秘の内部資料である「ご旅行代金内訳書」を確認すると、行った場所などにもよるが、昨秋のケースでは1人当たり約900~2800円の足が出ていた。昨年9月に2回、10月に1回の計3回のバス旅行で会費と旅行会社に振り込む代金に合計約112万円の差が生じており、その分は事務所が補填していた。
(2020年7月1日文春オンライン)

 

この疑惑も、どこかで聞いたような・・・
そう、小渕優子氏が後援会の観劇ツアー費を事務所が一部補てんしていたことが露呈し、違法な寄付とみなされ捜査された事件だ。
このときは、秘書がパソコンのハードディスクをドリルで物理的に破壊し、本人は事なきを得た。
ドリル小渕と呼ばれる由縁である。
そういえば菅原氏と同じく、この不祥事で辞任したのも経産大臣だった。

 

また、見ようによっては、安倍首相の「桜を見る会・前夜祭」にも構図が似ている。
ひょっとして、今の自民党ではこれは「誰でもやっていること」なのか?
 

文春本誌では、この内訳書やLINEを写真付きで公開するというので、相当裏付けは確かな話なのだろう。
菅原氏を「謝罪したから」などと不当な理由で不起訴にし、今回、このようなはっきりとした別の疑惑が浮上したことで、検察は動くのか?
ただでさえ検察に世間の注目が向いている今、あまり行き過ぎた「お目こぼし」は、さすがに世論の批判が高まるのではないだろうか。
果たしてどうなる?

 

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