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「日本人が『知るべき問題』とはなんだろうか?」を見て

「日本人が『知るべき問題』とはなんだろうか?」
2019年2月21に放送された「そもそも総研」のタイトルだ。
わりと普段から深いところを突いてくる番組の名物コーナーだが、今回はさらに深く、考えさせられた。

近ごろのテレビが大事なことをちっとも取り上げない、という視点から、玉川さんが、ウーマン村本氏とシリアで解放された安田純平氏にインタビューをした。
個人的に引っかかった部分だけ書き起こしてみる。

玉川「例えば、日本人がみんなシリアの情報を知りたいと思っていたら、自己責任論なんて出ないんじゃないかと思うんですよ。」

安田「そうですね、結局シリアのことなんて別に知りたくもないので、どうでもいいことを勝手にやった人という扱いでしょうね。」

村本「なんで関心がないと思う?」

安田「関心を持てる中身じゃなかったんじゃないですかね・・・」

村本「僕は心の余裕が徐々になくなっているような気がして。お金に余裕があるのと、心に余裕があるのとは違って」略「例えば、中国のネガティブなニュースは伝えられるけども、ポジティブなニュースは伝えられない。でもネガティブなニュースを聞いたら安心できる人がいるんですよ。やっぱり中国はこうだったんだ、韓国はこうだったんだ。中国には負けたくない、だからネガティブなニュースを信じる。不安だから信じて安心するわけじゃないですか。信じて楽になりたいんですよ。ということは、不安なんですよ。」

安田「バブル崩壊前は、海外のニュースが多かったと聞きますね。前の世代の人たちに聞くと。」

玉川「心に余裕があれば、みんなそれを見ようかなと思うのだけど、不安だったり余裕がなかったりすると、手っ取り早く自分の気持ちがよくなれるようなものにばかり需要が行っちゃって、テレビはそこばっかり乗っかっちゃってる。」

村本「テレビは不安を解消させるための道具になっていて、真実を伝える道具ではない。」

考えてみれば、自国の政府が文書改ざんしたり、データ偽装したり、統計変造しても、さほど関心があるわけでもない日本人にとって、シリアでなにが起きているかなんて、それこそ死ぬほどどうでもいい話だろう。
それを命がけで取材に行った安田さんに「つまらんことをするな」と反応するのは、流れとして辻褄が合っている。

日本人に「心の余裕」がなくなっているというのは、同意だ。
村本さんは、やはり鋭いね。
「長時間労働で、そんなことを考える余裕がない。」とか、
「生活がいっぱいいっぱいで、シリアのことまで考えられない。」
なんていう話は、ふつうにありそうだ。

もし「心に占める不安」の数値統計を取れるとしたら、多分ここ数年で値が上がっているのじゃないかと思う。
詐欺とまではいかない、いわゆる投資トラブルのような報道を見ていると、「得する」「儲かる」というのではなく、「将来安心ですよ」「老後安心ですよ」といったものがとても増えている。
つまり、貧乏人に限った話でなく、投資できるようなモノ持ちすら、将来や老後に不安があるということの裏返しとは言えないだろうか。

多くの人の「不安」を払拭するためには、「政治」しかない。
というか、政治の役割とはそもそも、そこ一点に絞られる。
世の中に「不安」が多いということは、その政治が悪いということに他ならないのだ。

そして、インタビューVTRが終了しスタジオでのコメントを聞いて、ひっくり返った。

羽鳥「僕はそうは思わない。安心させちゃダメなの?

羽鳥さん、あなたにはガッカリしたよ。それほど期待もしちゃいなかったが。
VTRの何を見てたんだ?
「安心させる」ということは、例えば中国のトンデモ映像とかをバンバン流して、番組で笑いものにして、「ほうら、まだまだ中国って後進国。先進国日本じゃこんなことないからね。」と「安心」させるようなのが、役目だというのだろうか?

迫りくる現実が厳しいなら、精神衛生上、伝えないほうがいい、ってことでしょ。

この人は今後も「視聴者に安心をお届けする」スタンスで、番組に臨むのだろうか。

この際、あの番組は「羽鳥モーニングショー」じゃなくて、いっそのこと「玉川モーニングショー」にしてしまったらどうだろう。
視聴率上がったりしてね。

 

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